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花のコーナー 2019年04月

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花のコーナー

御園 和穂##

2019年04月 春のコンテナ

 比較的暖かい冬が過ぎて本格的な春がやってきました。
 昨年秋に植えたパンジー・ビオラ、キンギョソウ、ノースポールなどはこれから最盛期ですね。水やりや花柄摘み、雑草抜きと作業に追われるようになります。
 今年は2月から定期的に雨が降ってくれるので少し灌水の手間が省けています。一雨ごとに暖かくなって植物が勢いよく育っているように感じます。
 これからが本番ですよ!

 3月上旬に『春のコンテナ』作成の講習会を行いました。例年2月、3月の講習会は、パンジー、ビオラ、キンギョソウなど、前年に植付けた花苗に春先の花苗を加えて考えていましたが、春に売られている花苗が変わってきたような~私が訪れた園芸店にはパンジーやビオラが無くてビックリしてしまいました。私が訪れた園芸店はパンジー、ビオラは「注文」で準備をするそうです。
 園芸店は春一色でとても賑やかでした。折角なので春らしい花苗を選んでみました。
 
 今回紹介するのは。

アルメリア

画像の説明

学名:Armeria
イソマツ科ハマカンザシ属(アルメリア属)
常緑性多年草。
和名:ハマカンザシ、オオハマカンザシ
原産地:ヨーロッパ、北アフリカ(北半球に多く分布)
開花時期:3月~5月

 株はこんもりと茂り、細長い葉の中から茎を伸ばし、先端に丸い花を付けます。
 花色はピンク、白、赤。日本へは明治中期に到来しました。
 アルメリア属には50ほどの種類があり、低地の浜辺から2000m以上の高山まで広く分布しています。
 「アルメリア」はケルト語で「海に近い」を意味し、海岸に自生することから名付けられたそうです。和名の「ハマカンザシ」は、「細い茎の先に丸い花」がかんざしの趣で、浜辺に生息していたことから名付けられました。表現が言い得ていますね。 
 海岸や山地の岩場に生息するものが多く、日当たりと水はけの良い場所を好み、強い日差しや寒さ、潮風にも強いです。
 花壇でも使用しますが、ロックガーデンにも使います。また茎が長いので切花でも使われています。

【育て方】
■用土と水やり
 水はけのよい用土を好みます。春か秋に植付けます。その際、根は崩して植えてください。2週間ほどで根付きます。根付くまでは小まめに水を与えます。
 その後、地植えの場合、根付いたらほとんど必要としません。
 鉢植えの場合は、生育が始まる春から開花中は乾かさないよう管理します。その後は土の表面が乾いてきたらタップリ与えましょう。

■肥料
 3月~4月、10月~11月に置き肥(化成肥料)もしくは液体肥料を与えます。
 春は速効性タイプ、秋は緩効性タイプが良いでしょう。真夏は必要ありません。

■増やし方
・株分けをします。株が太り大きくなってくると沢山の花を咲かせますが、同時に株自体が蒸れてしまって腐ることがあります。
 掘り上げたときは一株ですが、ハサミで縦半分に切りましょう。
・さし芽もできます。株を割った際に茎が取れたりしたものを、鹿沼土などに挿しておきます。
・種は自家受粉が弱いタイプです。
 種を採取する場合は、手持ちのアルメリアとそれ以外の品種のアルメリアを数株まとめて植付け、雨に当たらないよう管理します。花後、採取出来たら秋口に播種します。好光性なので、覆土は軽く種を押さえる程度にします。発芽後、弱弱しい芽は間引いてポット上げします。12月上旬に植付けるか、翌春に植付けます。

 育て方は簡単です。派手な花ではありませんが、花茎がそよぐ姿は愛らしく見えます。
 春の花壇やコンテナを彩る花苗の一つです。

 次は。

ローダンセマム

画像の説明

学名:Rhodanthemum
キク科ローダンセマム属
常緑性多年草。日本では一年草扱い
原産地:北アフリカ、スペイン
開花時期:3月~6月


 北アフリカやスペインに自生種が10種ほど生息しています。その他は品種改良された園芸品種になります。
 分布域の自生種は北アフリカのモロッコ、アルジェリアなどで山岳地帯の岩場に生息しています。
 本来は多年草ですが、日本の高温多湿は苦手で夏越しが難しいため一年草扱いをすることもあります。
 姿はマーガレットに似ていますが、低温になると枯れてしまうマーガレットとは異なり、-10℃くらいまで戸外で耐えます。
 しかし、高温には弱く真夏は生育を止めてしまいます。生育休止時、過湿になると枯れやすくなるので注意しましょう。
 鉢植えであれば風通しの良い軒下に移動させます。

画像の説明

 花壇や庭植えの場合は水はけの良い場所を選びます。
 地植えの場合は避難が難しいので、夏越しをさせる場合は、開花後、草丈を半分くらいまで切り戻し風通しの良い状態で過ごさせます。
 無事に夏を越せるよう!祈ってください。
 夏越しが出来た場合、9月~10月に姿かたちが崩れていたら軽く刈り込みましょう。こんもりした株になります。

 開花時は葉の付け根あたりから花茎を10cm程度伸ばし、その先端に花を咲かせます。葉は細かい切れ込みが特徴で、葉や茎に細かい毛が密生しているため白っぽく見えます。(写真参照)
 花の無い時期はシルバーリーフとしての活用も可能です。(品種によっては緑葉もある)

【育て方】
■用土と水やり
 水はけのよい用土を好みます。植付けは3月~4月、9月~10月が適期になります。酸性土壌を嫌うので注意してください。
 鉢植えの場合は一年に1回の植替えをお勧めします。花壇や庭植えは放置しても大丈夫です。水やりは鉢土の表面が乾いたらタップリ与えましょう。花壇や庭植えは降雨のみで十分です。

■肥料
 3月~4月、10月~11月に置き肥(化成肥料)もしくは液体肥料を与えます。
 真夏は必要ありません。

■増やし方
 ・さし芽(挿し木)で増やします。
 適期は3月~5月、9月~10月です。元気な新芽を5cm~10cm切り、しばらく水につけておきます。
 挿し木用土もしくは赤玉土に挿します。発根するまで明るい日陰で、水を切らさないように管理します。
【注意】ローダンセマムは株が古くなると立ち枯れしやすくなります。
 夏越しと過湿に注意すれば元気に生育する花苗です。花以外にも葉も楽しめます。花壇や庭植えはちょっと・・・でも、コンテナであれば大丈夫。一度チャレンジしてみる価値はありますよ。

次は。

ハナカンザシ

画像の説明

学名:Rhodanthe anthemoides
キク科ローダンテ属
秋まきの一年草。(地域によっては多年草)
原産地:オーストラリア
開花期:3月~5月

 花びらがカサカサとした紙のような小花を次々に花を咲かせます。
「ハナカンザシ」は流通名で、本来は「ローダンテ・アンテモイデス」と呼び、和名でハナカンザシと言われる植物は別種になります。
 花色は白のみですが、蕾の時点では赤紫の萼(がく)が覆っています。開花後に裏面を見てみるとよくわかりますよ。

画像の説明

 白い小花の周りに赤紫の蕾がついて、優しい雰囲気です。夜になると花は閉じてしまいます。
 高温多湿が苦手で、寒さは霜が降りるような環境は苦手です。
 花壇や庭植えでは、日当たりがよく、風通しが良く雨の当たりにくい場所を好みます。
 開花時期は3月~5月一杯です。その後、株元の葉を少し残して短く切り戻します。怖くて出来ない場合は半分くらいでも大丈夫!夏越しに入るので、鉢植えの場合は軒下か雨の当たらない場所へ移動させましょう。


画像の説明

 花柄摘みを小まめに行うと脇芽から沢山の花を咲かせます。草丈は20cm程度ですが少し早めに切ってドライフラワーとしても楽しめますよ。葉は萎れてしまいますが、花びらは開花中と変わりません。

【育て方】

■用土と水やり
 水はけのよい用土を好みます。植付けは3月~4月、9月~10月が適期になります。鉢植えの場合は山野草用の用土に植付けた方が管理しやすいと思います。 
 水やりは、鉢土の表面が乾いたらタップリ与えましょう。花壇や庭植えは降雨のみで十分です。

■肥料
 開花期間中の2月~4月ごろまで薄めの液体肥料を時々与えると良いでしょう。

■増やし方
 日本の気候では種は付きません。挿し芽で増やします。
 適期は3月~5月です。大株や古株は枯れやすいので、小さい苗を作っておくと良いでしょう。秋涼しくなってから鉢に植え替えます。
 春先の気温が15℃あたりが生育良好時期です。株元から新しい茎がでてくるので、一通り開花後軽く切り戻しましょう。
 取り扱いは面倒くさいかも知れませんね~
 個人的にはコンテナの寄せ植え用として毎年楽しんでいます。
 管理上、花壇や庭植え用には向いていないように思います。今年は頑張って夏越しにチャレンジしてみようか~と思っていますが・・植替え時期の状態で判断してみようと思います。

 さて、3種類の草花を紹介しました。今回は「春のコンテナ」の作成にあたって選んだ植物です。あと「宿根ネメシア」「チロリアンデージー」「シロタエギク」を加えてみました。

宿根ネメシア

画像の説明

学名:Nemesia ゴマノハグサ科ネメシア属
原産地:南アフリカ  
多年草、一年草あり
開花時期:10月~6月 

 宿根ネメシアは、四季咲き性が強く、3℃以上の気温があれば、真夏を除いて咲き続けます。
 花色は一年草のような黄色や赤色はなく、青、白、ピンクのみです。また、「宿根」という名は付いていますが、比較的短命で2~3年で枯れてしまいます。
 管理途中、切り戻した茎を挿し芽にして苗を作っておくと良いでしょう。
 育て方は夏前に、草丈を半分くらいに切り戻します。その後夏を越して10月から開花します。鉢植え、花壇や庭植えに向いています。
 肥料は9月に入って置き肥を施しましょう。種が入手できた場合、播種は10月が適期になります。
 取り扱いは簡単です。

チロリアンデージー

画像の説明

学名:Bellis perennis(Tyrolian Daisy)
キク科ヒナギク属
原産地:ヨーロッパおよび地中海沿岸
開花時期:12月下旬~5月 一年草

 デージーは多くの品種があり、花の大きさや花色、性質も様々です。
 チロリアンデージーは花径3cm~4cm程の大輪で八重の丸い花が特徴です。花色は白とピンク。小輪系に比べるとやや寒さに弱いです。
 花壇では縁取りや寄せて植えると印象的です。コンテナの寄せ植えでは、花が大きいので主張するイメージですが、淡い色合いが調和します。可愛いですよ!取り扱いは簡単です。

シロタエギク

画像の説明

学名:Senecio cineraris
キク科セネシオ属 多年草
原産地:地中海沿岸
鑑賞時期:一年中

 葉を観賞する植物で、茎葉には白い毛が生えており、シルバーリーフとしても楽しめます。
 コンテナの寄せ植えの場合、脇役として主役を引き立てます。花壇や庭植えの場合は小さい時期は他の花苗の中で観賞しますが、放置すると背丈が1m程の大株になるので、途中で植え替えるか最初から後方で育てます。
 日当たりの良い場所を好みます。日照不足になると葉が緑になります。
 放置すると背が伸び花を咲かせます。しかし、花を咲かせると姿形が崩れ、株が弱ります。見せ方によりますが、花を咲かせないよう蕾が付き始めたら切り戻しをします。
 新芽の葉がとても美しいので、小まめに切り戻して育ててみましょう。
 こちらも取り扱いは簡単です。
 
 さて、今回はこれら6種類の花苗を使ってコンテナの寄せ植えの講座をおこないました。

画像の説明

 こんな感じです。
 少し苗が多すぎる感じもしますが、コンテナの寄せ植えは多くの種類を組み合わせて楽しみます。
 ただし、季節がきたら再び鉢から取出し、それぞれの生育環境で育てます。
 これを繰り返していたら様々な花苗が増えてしまって大変なことになってしまいますが、次の季節は大きく育った花苗を他の植物と組み合わせて違う寄せ植えで楽しめますね。
 組合せは皆さんのセンスでさらに素敵なコンテナを考えてください。
 コンテナの寄せ植えは玄関先やベランダなど、土が無くても楽しめる園芸の一つです。
 寄せ植えが難しければ、一種類だけを育ててみるのもいいですね。
 今、園芸店は花盛り。ちょっと覗いてみて気になる花苗や鉢物があったら育ててみては如何でしょう。

 4月、桜が満開です。春は風が強くて埃りっぽく苦手ですが、新しい年度の始まりや出会いの季節ですね。
 今は、花たちが次から次に咲く姿をワクワクしながら楽しんでいます。

(19/04/01掲載) 

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