先月、6月21日は「夏至」。
一日で昼間の時間が一番長い日でした。この日を境に気温もグッと高くなり、梅雨も本番、ジメジメした蒸し暑い毎日となります。
花壇の花やコンテナの植物もこのジメジメは苦手です。
4月の終わりもしくは5月に植え替えた植物は随分と大きく育っていることと思います。
このジメジメした季節を乗り越える為にも、管理をしっかり行いましょう。
込み合っている茎や葉は間引きをします。また、ベゴニアやメランポジュームのようにコンモリ株が太るタイプは全体を刈込んであげます。
刈込んだ茎・葉はきちんと取り除いてください。病害虫の発生の元になってしまいます。
特に雨に弱い、ニチニチソウやペチュニア類はコンテナであれば、軒下もしくはベランダへ移動させ、直接雨に当てないようにします。
また、ペチュニアのように横へ上へ伸びる茎は少し整理して切戻し、風通しを良くしてあげます。
ラベンダー類は思い切って半分くらいまで切りましょう。
このジメジメは決して悪者ではありません。ジメジメを利用して、「挿し木・挿し芽」が出来ます。
丁度、樹木の剪定の時期にもなります。切った茎を利用して挿し穂を作り挿し木をしたり、ベゴニアやペチュニアも挿し芽が出来ます。
チャレンジしてみては如何でしょう。
アジサイもこの時期が最盛期で咲き乱れていますが、挿し木をするには良い時期です。お気に入りがあれば一枝切って挿してみましょう。
さて、アジサイの花を眺めながら、もう一つこの季節に咲き始める花があります。
私の大好きな花の一つで『アガパンサス』です。
一般名:アガパンサス 学名:Agapanthus africanus 英名:African lily
和名:ムラサキクンシラン ユリ科の植物。
南アフリカ原産で日本へは明治中期頃渡来しました。
樹高:70cm〜100cmにもなります。開花期:6月〜9月くらいまでです。
アガパンサスとはギリシャ語で「愛」を意味し、agapa(愛らしい)+anthou(花)の組合せだそうです。
6月19日に撮影しました。
まだ満開の状態ではありませんが、少しずつ開花し始めたところです。
和名ではムラサキクンシランと呼ばれていますが、実際にはクンシランとは何の関係もありません。(クンシランはヒガンバナ科) 花の付き方が似ているからでしょうか?
アガパンサスは公共の公園などでもよく植えられています。
株を見てもらえれば分かるように、かなり大型の植物になります。
(写真植付けて3年目です)
花の時期はまさに今ですが、その後は葉のみで一年を過ごします。
場所によっては、冬場地上部が枯れてしまう場合もありますが、北九州であれば葉を付けたまま冬越し、6月頃から花芽を付け始めます。
花が咲かない時期はグラウンドカバーとしても利用できる植物です。
花壇で使用する際は、花が咲く頃は茎が長く伸びますがそれ以外は葉のみですので、高さ50cm程度の植物の中にポイントとしてまとめて使ったり、脇を固める植物としても有効です。
また、壁沿い等への列植も美しい姿です。
根は強く、斜面や土手の土流出を防ぐ効果もあると聞いています。
一番嬉しいのは、植えっぱなしでもよく育つ事でしょうか。(でも管理してくださいね)モノレール、平和通り下にも植えられています・・・見てくださいね!
アガパンサスの花の付き方をご紹介しましょう。
これは、茎がグーンっと伸びてきて先端が膨らんで、そろそろ蕾が苞の中から出てくる状態です。
ちょっと覗いている、稲の穂みたいな部分が花になる所です。
苞の長さ5〜7cmくらい。
頬かむりをしてるような姿です。いつも笑ってしまいます。
そろそろ開花です。表面を覆っていた袋もあとわずか。花の色もつき始めました。→ | ←花が半分以上見えてきました。
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その後、徐々に色づき始めます。→ | ←蕾の状態です。まだ、花色は薄いブルーが確認できるかなって感じです。
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さあ、開花です。
一つの茎から多数の蕾を付け、その一つがユリの形に似ています。
重なり合うように咲き、周囲のグリーンにもよく映えます。
夏場のアイテムとして欠かせない植物だと思います。
目でみる「涼しそうな」姿の一つですね。ただし、広い場所での場合はある程度存在感が必要になりますので、まとめて植えてみてください。集団での美しさを楽しみましょう。
種類として、通常目にするのは今ご紹介した淡いブルーのアガパンサスですが、他に濃いブルーや白などもあります。
アガパンサス アフリカンヌス・アルバ | アガパンサス シーフォーム |
アガパンサス イナペルタ | アガパンサス ヘッドホーンハイブリッド |
アガパンサス マリエッティ | (植物図鑑より参照) |
ホワイトガーデンやブルーガーデンを作る際に色味として使用すると効果バツグンです。
育て方は先にも述べましたが、一般的な花と同じように育ててください。
葉の部分が地上部に接していますので、泥はねがした場合などは水で流してください。病気などにもかかりにくくなります。害虫なども殆ど付きません。
過湿を嫌いますので、乾いたらタップリと水を与えます。通常は自然の降雨で十分です。
日当たりの良い場所を好みますが、真夏の強い陽射しで少し葉が焼けてしまう事もあります。
午前中一杯十分に日の当たる場所であれば、半日陰でも大丈夫です。
生育は旺盛です。施肥は植付け時の元肥と他に追肥を春と秋に年2回程度、化成肥料で構いません。
植替えは4〜5月と9〜10月。地植えの場合ほおっておいても構いませんが、株が込み合ってきたら株分けも兼ねて植替えを行います。
3年〜5年に1回程度です。
株分けをすることで、株数を増やしていく事ができます。
花後、そのままにして種を採取しても構いませんが、開花するまで5年近くかかってしまいます。それよりかは株分けで増やす方が効率的です。
ただし、余り株を小さくしない事。数年開花しなかったり、花数が減ってしまします。
手をかけなくても育ちやすい植物を選ぶのもガーデナーの仕事の一つです。
真夏はなかなか植物が育ちにくい・・・悩んでしまいますが、真夏を好む花も沢山あります。以前ご紹介したサルビア類やカラーリーフのコリウス類、マリーゴールドにニチニチソウ、ルドベキア、ハイビスカス類やランタナやセンニチコウ等など。 ちょっと夏に弱い花はコンテナに植え込んだりアクセントとして花壇の中に加えてあげましょう。コンテナの場合は移動が容易いでしょ。
一年草と多年草の組合せで暑い夏も元気一杯の花壇になりますよ。
今月は夏休みにも突入、22日には46年ぶりの皆既日食(日本の陸地に限ると)が見られるようです。
月が太陽の前を横切るために起こる現象ですね。福岡でも少しだけ見る事が出来るようですが、大雑把に言えば九州より南下すれば大きく欠ける様子が見れるとか。
一生のうち、一度は見ておきたい事象かもしれませんね。
ワクワクする夏がきます。暑さに負けず頑張って乗り切りましょう!
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御園 和穂
(09/07/01掲載)
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