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6月は雨も多く、降り始めると尋常ではない雨でした。
植物にとって、雨は生育上大切な条件の一つですが、長雨が続くと根腐れをおこしたり、日照不足による障害が出てきてしまいます。
そろそろ梅雨明けでしょうか? 急に暑くなって、日差しも強くなってきます。
夏へ向けての準備、整えておきましょうね。
今回はベゴニアをご紹介します。
ベゴニアとは、シュウカイドウ科シュウカイドウ属に属する植物の総称をベゴニアと呼びます。
ベゴニアの花名の由来は、17世紀後半、カリブ海に浮かぶ西インド諸島、現在のイスパニョラ島(旧サントドミンゴ島)で、当時フランス領総督ミッシェル・ベゴンによって、島に自生していた熱帯植物をヨーロッパに伝えられ、彼の名前のベゴンをとり「ベゴニア」と呼ばれるようになりました。
現在では、2000種を越える種類、品種を持ち、植物の中でも種類の多い物の一つです。
共通する特徴は、葉の形が左右非対称で少し歪んだ形をし、雌雄別々で4枚の花びらを持ちます。
ベゴニアは基本的には多年草で、大きく3つのタイプに分けられます。
バラ等にも負けない艶やかさを持つ球根性タイプ、小花や可憐な花をつける木立性タイプ、美しい葉に特徴がある根茎性タイプがあります。
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皆さんがよくご存知の「ベゴニア」は四季咲きベゴニア(学名:Begonia Semperflorens)と呼ばれ、木立性タイプで南米原産、生育形態は叢生型(1苗の中で花が群れて咲く事)で春からの花壇には欠かせない花苗の一つです。
取り扱いは春蒔きの一年草ですが、場所によっては多年草になることもあります。
ただし、梅雨時期から真夏にかけての高温多湿による影響で、折角茂った茎、葉が蒸れて腐ったりしてしまいます。
植付け時期と成長の具合もありますが、大きく伸びている場合は梅雨にはいる頃切り戻しをしておくと、腐れにくい状態になります。
また、これから大きく成長するので、出来るだけこまめに様子を見るようにしましょう。
次にベゴニア類の中では一番艶やかな球根性タイプのもので、南米アンデス山中で発見された野生種で7種類を元に複雑な改良を加えられ、更なる改良の末、一重の花から八重を作出し20世紀初頭にはエラチオール・ベゴニアが誕生、その後、冬の代表的な鉢物としてリーガース・ベゴニアが生まれました。
今現在でも、大輪の矮性化(小ぶりで背の低いタイプ)で香りのあるものなどの研究が進められています。
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エラチオール・ベゴニア(写真:植物図鑑より) |
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バラのような八重の美しい花をつけ、さらに色合いも淡い色からはっきりした赤や黄色などがあります。
鉢物、贈答用としても1年を通して親しまれています。ただし、夏の暑さ、冬の寒さに弱いので管理は手間が掛かりますが、手間をかけた分美しい花が周年を通して楽しめます。
もう一つのタイプは根茎性で葉の美しいレックスです。
インドからベトナム原産のベゴニア・レックスに、他の品種を交配させた物で葉がとても美しく、観葉ベゴニアとも呼ばれています。
もちろん、花も咲きます。一般的に見られるベゴニアの茎を長くしたような花です。
夏の暑さは耐えられますが、直射日光は避け、半日陰から日陰を好みます。
また、冬は5℃程度までの寒さに耐える事ができます。
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葉は緑色、赤色、その他混ざった色、また、葉が渦巻きのようなエスカルゴなど、品種が豊富にあり、半日陰ならばハンギングバスケットや花壇の一部にも植え付ける事が可能です。
ベゴニアと言っても数え切れない種類があり、花はもちろんの事、葉も艶やかで魅力的な植物と言えますね。
用途によって使い分けをすれば、より楽しむ事ができます。
その中でもやはり、一番親しみのあるベゴニアは四季咲きベゴニアでしょう。
春先から花壇を華やかに飾り、この時期どうしても欠かせないアイテムの一つだと思います。
葉の色は緑葉、銅葉とあり、花色は赤・白・ピンクの3色です。一重、八重もあります。
当たり前の植物なので少し飽きてしまっている方も多いかもしれませんが、色を統一してみたり、規則正しく並べてみたりと、少し手を加えるだけで表情が豊に変わります。
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そこで、同じ場所にベゴニアを2パターン、植え付けてみました。
四季咲きベゴニア(ベゴニア・センパーフローレンス)の赤とピンクを使用して植え付けた場合。
落ち着いた、華やかな花壇が仕上がりました。
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こちらは同じベゴニアで赤とピンクと白の3色。
2色の場合はラインで表現しましたが、こちらは規則正しく並べる事で、華やかで、ポップな感じに仕上がりました。
(イメージは渦巻きキャンディーだったのですが・・・少し違ってしまいました。)
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ベゴニア単一も植え方によっては、雰囲気が随分異なる事がわかります。
花壇は様々な花でも飾れますが、同じ花で色の変化を楽しむ事も出来ますね。
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こちらは木立性タイプのベゴニア・ドラゴンウィングという種類です。
性質としては、大きくなると垂れるタイプなのでハンギングバスケットに仕上げてみました。
葉の艶がよく、暑さにも強く、割と乾燥にも強いので昨年の夏の猛暑には重宝しました。
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四季咲きベゴニアの白(葉は銅葉)とダイアンサス、サルビア・コクシネア、サルビア・ファリナセア、グラスのステッパの組み合わせです。
白色だけで地味になりそうですが、夏には涼しい雰囲気が出せます。
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こちらはベゴニア・ペンデュラ(オレンジ色)とディアスシア、イポメア等の組み合わせです。
オレンジ色とピンク、明るいグリーンで爽やかな雰囲気を出してくれます。
春から夏、そして秋から晩秋まで楽しめるのがベゴニアの良いところですね。
育て方は四季咲きベゴニアの場合は、日当たりと水はけの良い場所で、植付け後、根が落ち着く2週間くらいは小まめに灌水を行います。
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その後は乾燥状態を見ながら適宜与えていきます。(露地花壇の場合)
背が高くなり、姿が崩れてきたら切戻しをします。
切戻しの際は切った茎等は全て取り除き、株元をスッキリさせ、その後化成肥料を与えておきます。
真夏は少し元気がなくなるかもしれませんが、肥料等は控えめにし、水管理だけしっかり行います。
秋口、どうしても傷んでしまう株も出てきます。
単一で植えた場合は傷んだ部分を取り除き、他の花との組み合わせをし、雰囲気を変えて晩秋まで楽しめますよ!
ベゴニアは世界中で愛され、沢山の種類があります。
どうぞ、いろんな場所で探して見てください。
また雨が降り出しました。
今年の梅雨明けはいつ頃になるのでしょうか?
ジメジメ、スッキリしない天候に左右される毎日ですが、元気に乗り越えて行きましょう!
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