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9月は厳しい残暑と台風の到来。
いつまでも蒸し暑く、「このまま秋はこないのかも・・・」と思っていましたが、「秋」は来てくれました。
これからは樹木の葉が赤や黄色に色づき、秋の深まりを感じる季節がやってきます。
草花の手入れも植え替えもし易くなりますね。少し傷んだ花壇やコンテナも復活してきます。気温が落ちてくると、花持ちもよくなり、本来の花色も楽しめますね。
今回も、オランダの庭園を紹介します。
前回ヘットローの庭園からヘット・ホッグを回りました。
本日はアーネム近郊の町フォルデンにある大邸宅の、18〜19世紀のロマンチック様式の庭園には、ローズガーデン、サンクンガーデン、キッチンガーデン、ワイルドガーデンなどがあり、オランダで「一番美しい」庭園として選ばれたデ・ヴィアーッセ(De Wiersse)からスタートです。
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デ・ヴィアーッセの入口 |
アーネムのホテルからタクシー
(タクシーは一日チャーターをしました)で40分程走った場所にあり、少し迷子になりながらも無事到着。
「ん、様子が・・・」、そう、門扉が開いてなくて。
一応調べて、現地の方からも連絡をしてもらっていても・・・このようなアクシデントが起きてしまうんです。「お休み」でした。
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海外の庭園は開園している時期が割りと短く、期間を明記してはいますが当てになりません・・・残念でした。
気を取り直して。次は、現在世界中で注目されているガーデンデザイナーのピート・オウドルフ氏の自宅兼ナーセリーです。
オーナメントグラスを使ったダイナミックな庭を提案し、その魅力を知らしめてくださった方です。
ニューヨークの空中庭園「ハイライン」の植栽計画プロジェクトでも活躍されています。(ハイラインは写真でしか見ていませんが・・・)
オランダを代表するガーデンデザイナーです。
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週末にはオランダはもちろんの事、ドイツやベルギーからもガーデナー達が見学にきたり苗を購入したりと賑わっているそうです。
残念ながらオウドルフ氏は不在(海外出張との事)でしたが、奥様に話を聞けました。
お庭はナチュラルガーデンで何種類かに植物を分けガーデンを作庭されています。
ローメンテナンスで、植物の相性や育てやすい品種を組み合わせているそうです。
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グラスを中心にしたガーデンと大株に育っているギボウシ。目をひきます。
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植物の自然な魅力を充分に満喫出来たような気がしました。
公開は6月と8月〜10月頃までだそうです。一番美しく花が咲く時期だけの公開ですが、是非もう一度訪れたい場所です。
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この後、ビンガーデン(Bingerden)へと向かいます。
オランダ東部にある最も古い館で、15世紀頃の建立、18世紀にはいりドイツの庭建築家ヨハン・フィリップ・ポッチによりイギリス式庭園となり、建物に合わせ5つの庭を持っているそうです。
6月はこのビンガーデンで行われる「インターナショナルナーセリーデイズ」というフラワーショウが人気を呼んでいて、周辺各国からも来られる方が多いそうです。もちろん、私達もこのフラワーショウを見る事が目標の一つでした。
あいにくの雨で肌寒い中でしたが、世界各国から、花苗、苗木、資材など一般的なものから新品種まで、様々な提案と出展がなされていました。
フラワーショウは後から見るとして、ガーデンから見学です。
フォーマルガーデン、ローズガーデン、ポタジェが見所と聞いています。
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まずはポタジェからです。その前に「ポタジェ」とは? 聞きなれない言葉だと思います。
ポタジェ(Potager)とは、家庭菜園を意味するフランス語で、果樹や野菜、ハーブ、草花などを混植した実用と鑑賞の両方を兼ね備えた庭の事です。
ちなみに庭にある野菜でスープを作る事を「ポタージュ」と言いますが、ポタジェの語源はポタージュからだそうです。
またコンパニオン・プランツなどもポタジェの中での基本となります。
トマトとバジルでトマトの味が良くなる、とか、ペチュニアと豆類で豆の生育が良くなる、とか。ナスタチュームやマリーゴールドは防虫効果など様々です。
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ミニトマトの脇に植えられたバジルの足元はペットボトル容器の上部半分を使用して、根元に直接灌水ができるよう工夫されていました。
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オブジェ:アルケミラ・モリスが満開 |
豆類 竹と柳の組合せ支柱 |
レタス・チシャ類、チャイブなど |
野菜類の周囲通路にはアリウムやバーバスカム |
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野菜(特に葉野菜)の色合いや植え付けの見せ方や、豆の支柱も意識しての見せ方がとても素敵です。
豆の花はスイトピーと似ているので、花壇での応用は効きそうですね。
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暖炉用の「まき」と道具をしまう兼用の小屋です。
何ということもない小屋なのですが、モッコウバラが屋根を覆いかぶさってしまいましたが、結果、絵になる風景になったようです。
意図的だとは思いますが。
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ポタジェを通りすぎると、ローズガーデンとフォーマルガーデンです。
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ローズガーデンは、植えられたバラと足元の葉物植物とのコントラストの美しさや花が終わった後の葉の色を使った組合せが目を引きます。
アイリス類が一通り咲き終わり、アジサイやウツギ類などが開花し始めていました。
フォーマルガーデン。
イギリス式庭園なので、基本は自然を取り入れた庭園と言えます。
周囲は森をそのままの状態で管理し、牧草地や水辺などもあるようです。
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残念ながら入る事は叶いませんでしたが、見渡す限りの草原(どこが境界なのでしょう)が続いていました。
雨降りの中でしたが、しっとりとした風景が広がります。
周囲は自然そのものを生かした作りで、囲われた中は・・・トピアリーが凄いんです!
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カタツムリのトピアリー、ウサギと豚? クジャクもいました。
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生垣の中に出現したのは、カナル風の噴水が上がる池なのですが、中には入れません・・・。 生垣越しに「何かいる」。
何かいるのは、「カエル」の愛くるしいばかりのトピアリーでした。
なぜ「カエル?」、定かではありません。
日本でも古くは万葉集などでも泣き声を愛でていたり、芭蕉や一茶の俳句にも登場、鳥獣戯画にも面白可笑しく描かれています。「お金が返る(カエル)」から財布にカエルのマスコットをいれておく風習などもあるようです。
南米などでは「幸運」を招く物として、ペットとして飼育したり、置物を置いたり、と様々。一番身近にいる親しみやすい動物なのでしょうね。
素晴らしいガーデンを見た後は、フラワーショウを見て回ります。
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花苗の展示・販売
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素焼きのコンテナブース
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種:様々なカボチャとズッキーニ
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野菜の苗販売
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ギボウシ
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アリウムやダリア、セージ類
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写真は極一部に過ぎませんが、ありとあらゆる植物が持ち込まれ展示・販売されています。
また、苗の組み合わせの紹介も多く見られました。
← サルビア・ネモローサ、アリウム(黄色の花)、スカビオサ、ユリの組合せ
苗、苗木とも大株が多く、植え付けと同時に楽しめる物やクレマチスなどの蔓植物、日本の行灯仕立てにしていないので、蔓が支柱からはずし易く、使い手側の仕立て方に配慮している植物が多く見られました。羨ましい限りです。
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皆さん、一輪車いっぱい購入されていました。
これから冬までの間に楽しめる花壇であったり、コンテナであったり「植物を育てる事も生活の一部なんだ」と、今さらながら実感させられました。
見ていると欲しくなる植物ばかり・・・これまた残念です。
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この時期としては珍しい雨だったのかもしれませんが、途中激しく降る雨の中でも大盛況だったようです。
私たちは、泣く泣く指をくわえながら次の場所へ移動です。
次の場所は「クレラー・ミュラー美術館」。オランダのデ・ホーヘ・フェルウェ国立公園内にある自然と芸術が融合した素晴らしい彫刻庭園(ロダンやアーム等)をもち、さらに世界で一番多くゴッホの作品を貯蔵している事でも有名な美術館です。が、少し長くなりすぎるようなので来月にさせて頂こうと思います。
秋の夜長、一年の中で一番過ごしやすい季節ではないですか?
食欲の秋でもあります。美味しい物を頂きながら暑かった夏を振り返り、これから迎える冬の植物などゆっくり考えるよい時期です。
季節の変わり目です。くれぐれも風邪は引きませんよう!
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