中国での妄想
 私にとって、今回の中国(撫順〜大連〜旅順)訪問は7回目である。旅行であったり仕事であったり今回のような緑化のお手伝い・日中友好の事業であったり、目的は様々ではあるが毎回何か新しい発見があるものである。
 今回の発見は早朝の風情であったり、うるさいまでの活気ではなくこんなことを考えながら散策を楽しんだ。
 ・・・・・場所は東南アジアの何処か、失礼ながら貧しいけれど人柄が良いところがいい。そこに造園学校を開設できたら良いな。と考えながら歩き回っていた。近い将来日本の造園業界においても急速に老齢化が進むことになる。日本全体が世界の一番前を老齢化にむかって走っているのだから我々の業界も例外であるはずがない。しかしながら、そこは世界に冠たる日本の造園業界、千数百年に及ぶ文化の蓄積である日本庭園・作庭技術は我々の中でじっくりとしっかりと育み続けなければならない。それでも技能職人は確実に減少していく。そこで樹木の剪定、芝刈り、除草をメインとした緑の維持管理を専門に行う技能職人を東南アジアで養成して日本に送り込めないかと考えたわけである。
 今のEU経済、アメリカ経済、世界経済を考えた時に、日本経済も脆弱で不安定にも関わらず円買いが進み、ますます円高方向にシフトしていくことになる。日銀でさえ円安に移行できないのに我々に何ができようか?! と、大それたことを考えるのではなく造園の世界の事を考えてみたのである。要はインドネシアの人に日本で看護士になって頂こう。の二番煎じなのである。
 しかし最初から日本で外国人技能職人を育てることは、コスト面、彼らの生活の不自由、文化の違いを考えると問題点があまりにも多く得策では無いと思われる。そこで東南アジアの何処かに造園学校を創り、剪定等の技術を学びながら日本語・日本のこと全般を学習し、日本の文化を共有できると判断された希望者に日本で働いて頂こうと云う考えなのである。やはり日本で働くのは難しいと判断した現地の職人は経済発展が続く自国で働けば良いのではないか。すでに東南アジアにおいても量から質の時代へと移行していると思う。彼らの役割(仕事は)日本にも自国にも世界にもあるのではないだろうか?!
 もしこの構想が実現することになれば、初代校長を関東在住のT氏に依頼しようと密かに思案している。

 私も50才を超え、外国と仕事の上で繋がりたいとか、造園業界のためにもなり自分も楽しみたいとか考えながら撫順の早朝、大連の深夜を歩いているうちにこんな妄想?を抱いたのです。
 まあ無理な話だと思うが、万が一実現しそうなときには皆さんの情熱と知恵と資金を拝借させて頂きたいものです。つまらない話にお付き合い頂き感謝感謝です。来年も撫順に行って実現できる何かを拾得したいものです。

 有難うございました。

記:藤田 良司
 <(株)九州造園>
(12/11/11掲載)
 
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