7月は大雨が続き、上がったと思ったら「梅雨明け」です。
大雨は北九州市にも大きな被害を与えました。みなさんの所は大丈夫でしたか? 本格的な夏ですね。
先月までは雨が多く、日照不足で花の咲き方が今一つかもしれませんが、これから十分な日照を期待出来そうです。
もちろん気温が高くなる分、管理も大変になります。
風通しよく、見た目ボリューム感も大切ですが通常より花の量を減らして夏を乗り切りましょう! 10月下旬までは充分に楽しめますからね。
前回からの続き・・・
スウェーデンから飛行機で約2時間。シャルル・ドゴール空港へ到着です。
パスを見せる訳でもなく簡単に入国が出来ました。ちょっと不思議な気もしましたが「ユーロ圏」だからなのでしょうか。
フランス共和国。西ヨーロッパ西部に位置し、北東にベルギー、東にドイツ、南東にイタリア、ドーバー海峡を渡ればイギリスになります。
面積は日本の約1.7倍、人口は日本の約半分。首都はパリ。気候は(パリ周辺)地中海性気候で春は4月頃から、梅雨が無く夏でも最高気温25℃前後、秋は早く、11月ころから冬に入ります。
経済も安定していてGDPも世界第5位。観光客入国数は世界一。農産物輸出でもトップクラスです。
食文化は豊かな農産物を使い宮廷文化を背景にしたフランス料理、その他ケーキや菓子類、バケットやクロワッサン、チーズやワイン・ブランデーなど品質の良さで知られています。
文学ではスタンダール、バルザック、ジュール・ヴェンヌなど様々な作家を輩出しています。
美術においては、皆さんもご存知の写実主義のドラクロワ。印象派等のモネやセザンヌ、ゴーギャン。アール・ヌーヴォーではブラックやマティスらが活躍をしました。
ファッションも20世紀に入ってから、ジバンシー、サンローラン、ディオール、シャネル等ブランド展開による香水やバッグ。またヴィトンやエルメスなどの旅行用品や馬具のブランドも衣類、靴、鞄等、世界中で人気を集めています。
スポーツも盛んで、特に柔道は競技人口が日本を上回る程の人気があるそうです。
テニスの全仏オープンは唯一のクレーコートで有名ですね。
競馬(ロンシャン競馬場が有名)、サッカー、サイクルロードレース(ツール・ド・フランス)、
モータースポーツではル・マン224時間レース。ルノーがF1、プジョーが主にラリーで活躍をしています。
昔も今も、経済・文化・スポーツ、あらゆる面でサミットの構成員ですね。
時間の関係で今回はパリ周辺だけですが、幾つかに分けてご紹介したいと思います。
まずは、「歴史のある庭園」
代表的な公園で「リュクサンブール公園」。リュサンブール宮殿はフランス元老院※が入っていて、公園はその庭園にあたります。
※元老院:フランスの議会は二院制を採用、上院に当たるのが元老院。下院にあたるフランス国民議会がある。優先権は国民議会にあり元老院は諮問機関としての色合いが強い。
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リュクサンブール宮殿です。
庭園は幼い子供と両親向けにフェンスで囲われた広い遊び場があったり、メリー・ゴー・ラウンドや無料で音楽公演ができる広場。木陰では、こじんまりしたレストランなど多くの市民が屋外で楽しむ事が出来る場所となっています。
また、庭園のあちらこちらに彫像や噴水、記念碑などもあります。
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宮殿の前庭です。花壇の中はコスモス・ペチュニア・サルビア(ファリナセア)・コリウス・アゲラタム、バーベナ等パステル調の仕上げで全体を統一。
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宮殿の周囲は芝生の手入れもよく、縁取りはボックスウッドの刈込み。点在するベンチ類の側には大型のコンテナがずらりと置かれています。
樹木はヤマモモのような感じの木でした。
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幼児専用の公園です。
パリの公園では良く見かけるのですが、フェンスで周囲を囲み、入口に門番のような方がいて、誰でも入れるわけではありません。
大きな水たまり、砂場、そして芝生広場。 これなら安心して子供を遊ばせられますね。
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幼児専用公園のフェンスの周囲はブナの生垣。生垣の周囲は花壇と芝生で、
ルドベキア、ジニア・リネアリス、アゲラタム、コリウス等。色合いも黄色を基調としてポップな感じの仕上がりです。
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庭園の中には様々な彫刻や像が配置されています。
彫刻や像には全てプレートがつき、説明がなされています。
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19世紀の歴代の王妃たちや女傑たちの像が目につきました。
もちろん、像の周囲は花壇です。
ゼラニュウム、コリウス、グラス類、ユーパトリウム等。ピンクにグリーン、上品な植え込みです。
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ゼラニュウム、スターチス、ペチュニア、サルビア(ファリナセア)等。
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こちらはケイトウ類、グラス類、インパチェンス、ダリア、アスチルベ等。オレンジや赤系を基調にした落ち着いた色合いの植え込みです。
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花類の色は各ゾーンごとに統一して植えられています。
それ以外にも直径10m程度の円形花壇が点在しています。
ゼラニュウム、ユーパトリウム、サルビア、アゲラタム等。
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散策していくと、ヒマラヤシーダの大木がずらり。その大きさにビックリ。
樹木の隙間には像が覗いています。
ベニスモモの大木にスモークツリーの銅葉。樹木や葉物の配置や色使い、新鮮でした。
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宮殿を背にして、主庭園の池です。
南へ眺望が開けています。池奥の広い緑地とブナで作られた高い垣根を抜けるとカヴリエ・ド・サル庭園、マルコ・ポーロ庭園と続き、その正面にパリ天文台ドームがあります。
あまりの広さに行き着く事はできませんでしたが・・・。
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リュクサンブール公園は由緒正しい大庭園ですが、人形劇場や音楽堂、果樹園や養蜂、
ペタンク遊びのスペースまで備えられています。
小さい子供から老人まで、また観光者、住民と様々な人達が遊んだり、のんびり散策したり、読書をしたりと素晴らしい公共公園の役目をはたしています。
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養蜂場です。大きな樹木に囲まれ、入口は施錠してありましたが、自然の中で蜂蜜を採っています。鉢箱もステキでしょ。
果樹園は外周から見学。
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ちょうど、リンゴの木に袋掛けをしていました。
果樹園の隣に養蜂場がありましたので、蜂も受粉のお手伝いをしているのでしょう。
リンゴの木も日本の仕立てとは異なり、フェンスのように平面的に仕立てていきます。その他にはブドウの木が沢山実を付けていました。さすが、ワインの国だけの事はありますね。
最後はサイン等です。
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園内看板 |
動物の糞は持帰り |
喫煙、砂遊び、ボールは禁止 |
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どの国でも同じようなサインは見られますが、「パリ」にいる気分からでしょうか、「やっぱり何か違う、お洒落な感じよね」は、私だけでしょうか!?。
リュクサンブール公園をはじめ、歴史のある庭園はまだまだ沢山あります。
ルーブル美術館に隣接しているテュイルリー庭園、彫刻を中心とした公園で、公園を抜けるとコンコルド広場へ。
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ルーブル美術館を背景にテュイルリー公園 |
コンコルド広場 |
ビュット-ショーモン公園、岩山の上に神殿(展望台)があり周囲は池。その昔石膏の採掘場の跡地です。
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山頂の展望台 |
人工に作られた滝 |
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国立の公園。
中央の山を取り囲むように歩道があり、小川や滝、洞窟等。
全てが人口的に作られた大自然公園です。 採掘場跡地の起伏などをそのまま利用しているためワイルド。
風変わりな公園です。
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その他、行けなかったのですがパリ植物園、モンソー公園、モンスーリ公園、等、薬草園の復元や跡地利用の歴史ある公園が盛りだくさん。
今回のパリは2日間。まずは「歴史のある公園」のご紹介でした。
私は日本の公園で「一日を過ごす」経験がありませんでした。もちろん自然を中心として作られた公園も沢山ありますが、身近にはないような・・・。
樹木の大きさ、緑量の多さ、草花の配置や配色、芝生の美しさ。どの公園も芝生には入れませんが、周囲から眺められるようにベンチが配置されています。
「一日過ごしても飽きない」素晴らしい公共空間だとしみじみ感じました。歴史の違いや公園の発達の違い、気候文化も異なりますが、スケール感の違い、海外から見る日本との違いを実感しました。
次回は「現代の庭」と「芸術家の庭」をご紹介したいと思います。
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御園 和穂
(10/08/01掲載)
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