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4月、桜の花が舞い散り、そして春本番です。
「花見」と言えば、「桜の木の下で」だと思いますが、本来の「花見」の意味をご存じですか?
春から農作物を作るにあたって豊作を願うために、桜を見ながら持ち寄ったご馳走やお酒で宴を催した事が始まりと言われています。桜の花びらが散る姿を、神が舞い降りてきた様に連想されたようです。
また、4月の上旬から中旬にかけては、「野遊び」や「磯遊び」と称して、繁忙期に入る前に休みをとり、花見や遠足に出かけていたそうです。(花見の起源とも言われてる)山(海)には神様やご先祖様が宿るとされ、山(海)に出かけ宴を催し、山(海)から神様を里へ迎え入れるとされていたようです。
山菜を取ったり、潮干狩りをしたり、忙しい仕事を乗り切るための楽しみだったのでしょう。
今回は、一般的に野の草(雑草?)と言われる草花を紹介しましょう。
レンゲソウ (蓮華草) 学名:Astragalus sinicus.L マメ科の一年草。
別名:ゲンゲ、 漢字名:紫雲英、 原産地:東アジアから中国。
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日本へは、17世紀ごろ渡来し、明治以後、急速に広まったと言われています。
レンゲソウの由来は、漢字で書くと蓮華草(レンゲソウ)、1つの花は小花弁が7〜8枚集まって形成されています。その姿が蓮(ハス)の花に似ている事から、蓮華:ハスの花=レンゲになったそうです。
マメ科植物なので、根に根粒菌がついて空気中の窒素を固定化することで、「緑肥」として親しまれてきました。
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現在では少なくなってしまいましたが、かつては・・・春になるとあちらこちらの畑は紫桃色一色に染まり、絨毯を敷いたような姿が農村の風物詩だったのですよ。
見られなくなった要因は、レンゲソウに付く害虫の大発生や、「緑肥」でなくても十分に効果が得られる肥料が普及したためです。
苗は多分、販売されていません。花壇で育てたい場合は種を購入し、秋に種まきをします。注意として、マメ科の植物は移植を嫌うので、黒のビニールポットに種を一つずつ蒔き、苗が十分に育ったら根を崩さないよう植え付けます。花壇であれば、縁取りとして使用できます。
肥料は、芽が出た時に与えますが、その後は要りません。少し湿り気のある土地を好みますので、水管理はきちんと行ってください。
茎が伸び、春一番の新芽はおひたし(茹でて水でさらしてから)に、花は天ぷらで食べられます。
今では野生化し、田んぼの畔や休耕田などで少しだけ咲いている姿を見ます。
その他として、「レンゲの花のはちみつ」が有名です。日本を代表する蜂蜜で、もっともポピュラーです。
岐阜県の県花は「レンゲ」で、養蜂の発祥地としても知られています。
近年は農作や害虫の関連から栽培場所が減少し、「蜜採集」が難しくなってきているようです。隣国中国産レンゲ蜂蜜に圧されているとか・・・。
「レンゲの花のはちみつ」は、上品で滑らかな舌ざわり、淡い琥珀色の少しだけ酸味のある癖のない蜂蜜ですよ。
次は、
ホトケノザ 学名:Lamium amplexicaule シソ科オドリコソウ属の一年草。
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別名:サンガイグサ(三階草)、原産地・生育地はアジア、ヨーロッパ、北アフリカなど広域に分布しています。日本は北海道以外の地域に自生しています。
ごく普通に畑や道端、ブロック塀の隅っこなどに生育していて、早春から6月くらいまで花を咲かせます。別名のサンガイクサとは、茎が段々に付くことからそう呼ばれています。
背丈は10〜30cm程度で、株元の葉は円形に生育し、茎を伸ばし、その先に唇形状の桃紫色の花をつけます。
園芸種(花壇花)として植えられているのではありませんが、道路沿いの菜の花とのコントラストがとても美しい風景でした。野の草の持つやさしい色合いと清楚さを感じました。
ちなみに、七草の「ホトケノザ」と呼ばれる植物とは別物です。
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春の七草の一つとして知られている「仏の座」はキク科のタビラコ(田平子:標準和名:コオニタビラコ)です。 (写真参照:植物図鑑より) 学名:Lapsana aqogonoides Maxim |
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湿地を好み、田の周囲やあぜ道などに多く生えます。早春の水田などで、ロゼッタ状に葉を広げている姿が見られます。(タンポポのような感じ)
春先黄色い花をつけます。
「ホトケノザ」と言う名前は、ロゼッタ状の葉の姿から付けられた名前のようですが、今では、シソ科のホトケノザ(上記記載分)にその座を明け渡してしまったようです・・・。
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タビラコの葉は食用とされますが、野の草のホトケノザは食用になりませんのであしからず!
次は
ヤハズエンドウ 学名:Vicia sativa subsp.nigra マメ科ソラマメ属の多年草。漢字名:矢筈豌豆。
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植物学的標準和名はヤハズエンドウですが、カラスノエンドウ(野鳥豌豆)という呼び名が一般的のようですね。
原産地:オリエントから地中海周辺。日本は本州から、四国、九州、沖縄のありとあらゆる野原や道端に生息しています。
オリエントから地中海周辺では、古代の麦作農耕が始まった頃、エンドウなどと一緒に栽培、作物として利用されていた証拠が考古学的資料の中に記述されているそうです。
その後は作物としての栽培はなく、野の草として見られていますが、若芽や豆果は食用する事ができます。ソラマメの仲間には見えないかもしれませんが、よく見ると茎は角ばっていて(四角い茎)、豆のへそ(黒い筋)が長い、鞘が上を向いて付く等、ソラマメ属の特徴は持っているようです。
秋に発芽し春先から茂り始め、草丈50〜120cm程度まで伸びます。
3月ごろから花を咲かせ、6月くらいにエンドウ豆に似た種をつけます。
種は(鞘)放置すると鞘ごと真っ黒になり、自然に弾けて遠くまで種を飛ばします。
若い種(鞘)を取って、中の種を取除き、半分くらいにちぎって、笛のようにピーッと吹いて遊んだ方も多いのではありませんか?
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別名はピーピー豆かも知れませんね♪ 今年は見つけたら子供の頃を思い出して吹いてみませんか。
今回最後は
ミチタネツケバナ 学名:Cardamine hirsuta アブラナ科の一年草。
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原産、生育地域:欧州周辺。近年(40年前くらい)、欧州から渡来し、すさまじい勢いで日本各地に広がっていっている外来種です。
漢字で「路種浸け花」と書きます。
草丈30cmほど。3月の後半から4花弁(十字型)の白い花をつけます。
その後種を付けます。2cmほどの細長い棒状で茎と同じように真っ直ぐ立つのが特徴です。
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ミチタネツケバナ |
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タネツケバナ |
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よく似た植物で、「タネツケバナ」 (写真参照:植物図鑑より) という植物があります。日本では江戸時代、貝原益軒による「大和本草」にも出現しています。
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名前の由来は、「タネツケバナ」は苗代に種を蒔く前に水に浸けるのですが、その頃に白い花を咲かせる事から「種浸け花」になったと言われています。
「ミチタネツケバナ」は湿り気の多い場所を好む「種浸け花」とは対照的でやや乾いた場所を好むため(平地や路傍など)「路」が付いたようです。
見分けにくいのですが、種を付ける際、ミチタネツケバナは直立しますが、タネツケバナは種の途中が一回曲がって伸び上がります。これで見分けられますね。
ミチタネツケバナは渡来してからの歴史が浅いので、解明されていない部分が沢山ある植物です。しかし、どこへ行っても見かける植物で、これからの時期は野原や芝生の中、路傍などに集団で自生するため、遠くから見ると綺麗な風景です。
野の草なのですが、芝生の中などに生えてこられると、「野の草」は瞬時に「雑草」へと名が変わります。
雑草は一年草が殆どですが、毎年生えてくる時期は同じです。ミチタネツケバナも6月を過ぎるとなくなってしまいます。
退治するには・・・地道に抜いていくしかないようですね。
3月は暖かくなったかと思えば、急に冷え込んだりと相変わらず安定しない気候でしたが、4月に入り「花冷え」はあっても、暖かくなってきました。
何となく、身近に生えている野の草ですが、ゆっくり観察してみると楽しいですよ。
春の陽気に誘われて〜散策に出かけてみましょう!
「野の草」も一斉に茂り始め、場所によっては「雑草」。抜き取りと生育の早さとどちらが勝つのか? この勝負、今年も晩秋までもつれ込みそうです。
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