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北九州市では長年にわたり技能の研鑽、後進の指導育成に努め、優れた技能で産業振興や市民生活の向上に貢献している技能者を『北九州技の達人』と認定・表彰し、その優れた技能を「まちの宝」として次代に継承する活動をしています。
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去る、12月18日(土)小倉北区にあるホテルクラウンパレス小倉にて、授賞式が行われ、これまでの樹木医活動に功績があったとして北橋市長から認定証が授与されました。
受賞された水野会長から、所信が寄せられましたのでご紹介します。
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第6回の受賞者の方々 *左から5番目が水野会長
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第6回「技の達人」の受賞にあたって
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この度、「技の達人」に認定されましたこと、まことに有難く、光栄に存じますと共に、身の引き締まる思いがしています。これを機に、なお一層の精進を重ねる所存です。
さて、地球の歴史は46億年といいますが、その昔、地球の大気は98%の二酸化炭素と2%弱の窒素で覆われていたわけで、単体としての酸素は存在していなかったのです。その地球に酸素(現在は21%程度)を提供し、動物そして人類の存在を可能にしたのはまぎれもなく植物の光合成のお陰です。植物の側から見れば、光合成による排出物が酸素ということになるでしょうが、動物また人間にとってはこれが不可欠です。
その大切な植物が、地球環境問題で危機的状況になりつつあります。植物は気候変動等に応じて簡単に移動・引越しが出来ませんので、その影響をもろに受けることになります。原因をつくり出したのはもちろん私達人間です。
今ひとつ申しますと、産業革命以来、化石燃料を大いに消費してきましたが、化石燃料も植物の光合成によるものです。当然森林も然り。
森林や化石燃料を破壊・消費すればどうなるか。酸化することになりますから、光合成の図式の矢印を逆にするようなもので、すなわち酸素が欠乏することになります。
これでは、動物や私達人間は困るわけです。
植物や樹木を守る役割の一端を担うことが樹木医の役割の一つです。樹木が自然の森林の中から生まれたということを忘れてはなりません。樹木の遺伝的なプログラムは森林の中で培われたものです。特に本来の立地環境とかけ離れた都市樹木においては、大いにストレスがたまっています。
樹木の診断・治療のみならず樹木の視点に立ち、自然生態系の確保に向けた樹木医活動を展開して参りたいと思います。今後ともご指導ご鞭撻をよろしくお願い致します。
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