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私は、街路樹診断士の資格を取得し、2年が過ぎますが、その活動等につきましてご報告させていただきます。
街路樹診断士とは、樹木医で一定レベル以上の診断技術に達していると認定された者に与えられる資格です。受験資格は、「樹木医資格取得後3年以上の樹木診断の経験を要し、街路樹診断士認定講習を受講したもの」です。試験は、「書類審査と筆記試験」があります。
樹木医は、樹木の診断及び治療・後継樹の保護育成並びに樹木保護に関する知識の普及啓発と指導を主に行います。街路樹診断士は、樹木医が持つ専門性のうち都市樹木を対象とした診断の知識と経験を有するものです。街路樹診断士に求められる知識は、樹木に関わるもの以外に都市樹木に関わる法規や役割など多岐に渡り『樹木のリスクマネジメント』の観点から総合的に樹木診断を行うことにあります。
福岡市では、過去の街路樹倒伏の経験を踏まえ、毎年路線を変えながら街路樹診断を行っています。昨年は日田市でも倒伏があり、街路樹の緊急診断を行いました。熊本市では、街路樹の倒伏で熊本市を相手取り訴訟になりました。
倒伏の多くは、樹体が被害の発生前に、損傷や衰退、腐朽等により障害を受けている樹木であることが多く、したがって障害を事前に把握し、改善的処置を行うことが出来れば、倒伏等の発生可能性を低くすることが出来ます。そのためには、診断により改善的処置を検討し、迅速に実施することが重要です。
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予備診断の打診音調査 | 精密診断のレジストグラフ調査 |
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予備診断カルテ | 精密診断カルテ |
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診断方法は主に「予備診断(危険木抽出調査)」、「外観診断(抽出樹木の健全度調査)」、「精密診断」となっていきます。樹木医の樹木診断では、樹木に多少心材腐朽が見受けられても、保護・育成の観点から判断しますが、街路樹診断では、倒伏の危険性を考慮し、腐朽=伐採撤去(腐朽の場所・範囲による)になる場合が殆どです。樹木は自身で場所を選べません。人の手によって街路樹の桝に植えられれば、その場所が生涯の地となります。樹木の衰退原因の殆どが有効土層・根系にあると言っても過言でなく、狭い植樹桝に植栽され危険木となれば撤去となる。伐採・撤去の判断時は、少し可哀そうな気もします。
北九州市の街路樹が美しく、機能性の高い、安全でうるおいのある「北九州のみどり」として継承していくために"がんばりよるっちゃ!"です。
PS 水野さん、小松さん、岡本さん、日田市の街路樹診断、酷暑の中での「白くまアイス」
美味しかったですね、生きながらえました。
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記:三宮 洋 <株式会社 三宮造園土木> (13/11/15掲載) |