新年明けましておめでとうございます。
『花のコーナー』もスタートしてもうすぐ1年が過ぎようとしています。
皆様も楽しんで頂けてますでしょうか!? これからも宜しくお願い致します。
どんなお正月をお迎えでしょうか。
少し「お正月」に触れてみましょう。
「正月」とは本来1月の別名です。現在は1月1日から3日までを、または「松の内」(1月15日頃まで、一部の地域では7日まで)を「正月」と呼んでいるようです。
「正」には、「あらためる、きちんとする」などの意味があり、正月とは「魂が若返り、新しくなる月、1年の初めの月」を意味します。(百科事典参照)
1月1日を元日、元日の朝を元旦と呼びます。
本来は皇室行事の「四方節」と呼ばれ、祝日の中の紀元節、四方節、天長節、明治節の一つとされ、その中の四方節に代わり「年の初めの祝い」として国民の休日となり、この日から数日の間を「お正月」として、前の年が無事に終わったことと新しい年を迎えた事を祝う行事になったようです。
「元旦」の「旦」の字の下の線は地平線を表し、「地平線から日が昇る」、つまり「最初の日(太陽)の光」と言われています。
ちょっと、世界のお正月にも触れてみましょう。
欧米、キリスト教圏ではグレゴリオ暦(太陽暦)の初日である、1月1日のみが休日とされているようです。正月はクリスマス休暇の一日のようです。
中国や東洋の一部では中国暦(太陰太陽暦)1月21日から2月21日の間の新月の日を「春節」としてお祝いします。天体の月の運行によって天文学的に決められているようです。十干十二支(ジュッカンジュウニシ)の60年サイクルで各年に12種類の動物と10種類の組合せで名前が付いています。今年の干支は「丑年」、私たちは干支に関しては中国暦を用いています。
春節とは別に元日も休日となっています。
インドや南アジアの一部ではタミル暦によってグレゴリオ暦にすると4月13日頃。
中近東やイスラム教圏ではイラン暦で元日は春分。正月とはされてませんが、春分としてお祝いをするようです。
調べていくと、「暦」だけでも面白いものです。
関連して、「お正月」に用意するものにも触れてみましょう。
鏡餅、おせち料理、屠蘇、しめ飾り、門松など沢山あります。
「鏡餅」 神様へのお供え物で生命力をもたらすとされています。
「おせち料理」 神様にあげたご馳走で神様を迎える正月に台所仕事をして騒がしくしないという意味で、主婦を3日間休ませる保存食だと言われています。
「屠蘇」 屠蘇延命 一年の邪気をはらう祝い酒の事です。
屠蘇(薬草)をお酒に浸けて飲みます。
屠は退治する、蘇は病を起こす悪魔。悪魔を退治するようです。
「しめ飾り」 正面玄関の軒下に吊るす、家の中の古い年の不浄を払い、神様をお迎えできる準備が出来たという印です。
そして「門松」 門前を清め、悪い鬼や邪気を払い、神様をお迎えするためのものです。年末に作られた方も多いのではないでしょうか。
もともとは、松・杉・椎・榊といった常緑樹を用いていたようですが、いつしか松を用いるようになり門松と呼ばれるようになったそうです。
「松は千歳を契り、竹は万代を契る」という諺があります。神が宿る場所が永遠に続く事を願って松と竹の組合せになったようです。
また、「一夜飾り」や「29日」は苦に通じるとして嫌いその日は避けます。
29日の餅つきや正月飾りも同様に避けている方もいるようです。
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(写真は関西地方の例)
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(写真は関東地方の例)
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地域により門松の様式にも差があるようです。
関西では竹3本を中心に前面にハボタン、脇に若松を添えます。
関東では、竹3本を中心に周囲に短めの若松を配置し、下の部分を藁巻きにする形が多いようです。
竹の先端に関しても、斜めに切る「そぎ切り」と真横に切る「寸胴切り」と二種類あるようです。武家が「寸胴」。庶民は寸胴を発展させ、派手な「そぎ」を好んだのが元のようです。
このあたりでは、料亭や百貨店の玄関前に関西風の門松を見かけます。
華やかで、ひと際目を引きます。神様も目印として降りてきやすいかもしれませんね。
竹や松を使う事は、以上のような由来に依るものですが、その他にハボタン、ナンテン、ユズリハなどが華やかさを際立たせています。
ハボタンは冬の季節の花です。「葉牡丹」と書き、葉が牡丹のように見える事から、また、紅白の色使いが出来る事から、門松には欠かせない植物になっているようです。観賞の時期が今頃であることと、姿が和風の飾りとしても良く似合います。もちろん洋風の花壇や寄せ植えのコンテナにも良く似合います。
ナンテンは株立ちです。それらが触れ合い出す音が「難を転ずる」として縁起の良い木とされています。鬼門の方角に植えられる事もあるようです。ナンテンの葉は防腐効果があり、魚料理に添えられたり、赤飯に乗せたりするのもこの効果があるからです。実は真っ赤で、雪ウサギを作った時、目に埋め込むと可愛いですね。
ユズリハは春に枝先に若葉を出したあと、前年の葉が落葉します。つまり新しい葉がでたら古い葉が落ちる、新旧の世代交代が絶えず続くという事から縁起の良い葉として祝い時には使われています。
植物においても、「縁起」を大切にしているようです。
門松は「松の内」の間飾られます。その後は取り除きます。
最後の締めは「七草粥」でしょうか。
「セリ・ナズナ・ゴギョウ・ハコベラ・ホトケノザ・スズナ・スズシロ」
昔は一般にはハレの日(祭礼)に頂くもので、常日頃はアワ・ヒエなどの雑穀でお粥には大根や芋などを多くいれ水増ししたものでした。新米がとれ、まずは神様に供え五穀豊穣を感謝し、そのお下がりを頂いたのです。
正月の七草粥もこうした神への感謝と、新年を無事に迎えられた事への感謝の行事なのです。また、正月のご馳走に疲れた胃腸を休めるのにも効果的な食べ物なのです。
私たちは熱を出したり胃腸の調子が悪いと、「粥に梅干」が一般的ではないでしょうか。お米の澱粉質(糖質)を体に取り入れることで活性化させるのです。
先人の知恵のすごさには脱帽です。
そろそろ、「正月疲れ」が出てきているのではありませんか。
お屠蘇を飲み、おせち料理に舌鼓を打ち、ゴロゴロしていると・・・・・。
でもお正月ですから大目に見てもらいましょう。
後は、お粥を食べて体調を整えて、仕事へ邁進出来そうですね。
今年が皆様にとって素晴らしい年であることを願っています。
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御園 和穂
(09/01/06掲載)
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