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今年は梅雨明けも早く、8月はまとまった雨もなく、日中が35℃を超える猛暑日が続き、夜間でも30℃を上回る熱帯夜の毎日でした。
9月に入っても残暑厳しい日が続いています。
「雷乃収声」(らいすなわちこえをおさむ)、雷が鳴らなくなる、という意味ですが、秋分が過ぎ、秋の彼岸の頃をそのように呼びます。
真夏、夕立と共に鳴り響いた雷が鳴りを潜め、夏の終わりを告げる雷のことです。雷鳴は放電現象の発生により生じる音ですが、秋になると放電の熱量が少なくなるので雷鳴も小さくなるのです。
半月もすると過ごしやすくなりそうですね。
今回は、この暑さを乗り切り、秋おそくまで咲き続けるランタナを紹介しましょう。
ランタナ
学名:Lantana camara クマツヅラ科の常緑小低木。
原産地:中南米 世界中に定着している帰化植物です。
和名はシチヘンゲ(七変化)。
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開花は5月〜11月頃まで。草丈は30cmから1.5m程度。
花の色が赤色、黄色、オレンジ色、白色等豊富で、咲き始めの色が徐々に変化することから(七変化)という名が付いたようです。
多数の小花が集まり、花の色にもよりますが、中央と周囲で花色が異なります。
外側の花から開花し、最後に中央の花が咲きます。
熱帯、亜熱帯アメリカに、およそ150種の園芸種が栽培されています。
和名のシチヘンゲからアジサイと勘違いされる事があります。開花時期も葉の形などもよく似ていますが、アジサイに比べると小ぶりで、もちろん種類も異なります。
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黒い実を付け、有毒と言われていますが、鳥が食べて種子を散布し、広がる事もあります。
(果実は有毒と言われていますが、種子を噛み砕く哺乳類には害ですが、噛み砕く事のない鳥類には無毒という果実は多くあります)
茎は四角く、細いトゲがあります。葉は少しざらついた感じで、葉をちぎると甘酸っぱいような香りがします。
暖地では戸外で十分に生育し、以前は鉢物として育てられるものを多く見かけていましたが、最近は挿し木苗も見かけるようになりました。
夏花壇やコンテナの寄せ植えに使われています。
管理も特別でなく、苗が小さい内は乾燥に弱いのですが、ある程度の大きさにると、乾燥に強い植物となります。
背が高くなってきたら随時切戻し、花期が長いので肥料は定期的に与えると花付きが良くなります。(化成肥料や液体肥料で対応します)
ランタナは切戻しをする事で形を整えますが、伸び放題にしておくと、枝が暴れて花の数が少なくなります。
最近は、黄色い花で葉が斑入りのものや、よく似ているけれど別種でコバノランタナという植物もあります。
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斑入りのランタナ
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コバノランタナ (写真:図鑑参照)
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コバノランタナはランタナより寒さに強く、常緑で匍匐タイプの花です。
ランタナは花の色が少しずつ変化をしますが、コバノランタナはムラサキ系の単色で変化はしません。
ランタナの葉より小さい葉を付け、よく似た花を付けることから「小葉のランタナ」=「コバノランタナ」と呼ばれるようになったそうです。
乾燥にも強く、横へ広がりますので、伸びすぎたら切戻しをします。
どちらも冬の寒さを少し苦手としており、花後切戻すか、地上部をすべて切ってしまい、その株元に腐葉土などを敷き詰めておくと、なお良いでしょう。
春先、新芽が吹き、その後、暖かくなってきたら開花しますよ。
日本では園芸店でもよく見かけるようになりましたし、個人の庭園はもちろんの事、花壇の中や道路の中央分離帯の植樹帯にも見られ、わりと手がかからず、管理も容易な事から親しまれているようです。
でも、世界の中では「やっかいな」植物です。
ランタナは「世界の侵略的外来種ワースト100」に選ばれています。
■「世界の侵略的外来種ワースト100」とは
国際自然保護連合(IUCN)が定めた、本来の生育、生息地以外で侵入した外来種の中で特に 生態系や人間の活動に影響を与える生物を選んだもの
その代表としてクマネズミやハツカネズミ、アルゼンチンアリ、チガヤ、クズなどがあります。耳に した事があるのでは?
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ランタナ属は熱帯や亜熱帯では野生化し、東南アジアやオーストラリアなどでは雑草化しているそうです。直立するタイプや匍匐タイプなどが茂みを作り、一部トゲ(逆棘)があるため、厄介なようです。
日本においては、現在そのような事例はまだ報告はされてないようですが、これから先「厄介な」植物になってしまうのでしょうか?
少しだけ、植物の生態や環境の事を知っていれば、大きな問題にはなりにくいのかも知れません。
今年の猛暑の中でも、雨の降らない、水の足りない場所でも元気に生育する植物はそんなに多くはありません。
いずれ侵略的・・・になるかもしれませんが、やっぱり「夏の花!」なのでお庭の片隅に一株は欲しい草花です。
挿し木などで簡単に増やすことができます。お友達と花色をシェアして育ててみるのは如何でしょうか!
天気予報では、残暑がしばらくは続き、気温も高いようです。
例年になく7月、8月は暑く、陽射しも強かったように思います。
草花をはじめ樹木も突然枯れたり、葉の色が抜けて「白っぽく」なってしまったり、葉先がチリチリに焼けてしまったり、と「高温障害」が多くみられました。
これらの症状は秋口になり、気温が下がってくると治まってきます。
葉を取ったり、剪定をして取除いても問題はありませんが、今しばらく辛抱してください。葉は自然と落ち、新芽を吹きます。
植物の自衛本能とは凄いものですね。
気温が下がってくると少しずつ植物も元気になってきます。
秋に向けて、花壇やコンテナの手入れを再開しましょう。ただし、まだまだ残暑厳しい折柄。決して無理のないよう作業をしてください。
でも、まずは私達が一息いれる方が先かもしれませんね。
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