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花のコーナー

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花のコーナー

御園 和穂##

2020年08月 最近気になった草花

 今年も、梅雨末期の大雨で九州全域では甚大な被害を受けました。お見舞い申し上げます。
 北九州市においても雨は降り続きましたが、大きな被害はなかったようです。
 7月下旬に梅雨が明けて、本格的な夏がやってきました。
 長雨の後の晴天と高温が続き、花壇の草花にも傷みが出ているかもしれません。管理作業をする際には花柄摘みと合わせて、枯れた株や傷みのある部分取り除き、植替えはもう少し涼しくなってからにしませんか!
 
 今回は、最近気になった「草花」をいくつかご紹介します。



スカエボラの仲間 サンク・エール

画像の説明

学名:Scaevola “Cinq ailes”
クサトベラ科クサトベラ属
園芸品種 多年草(地域によっては一年草)
開花時期:5月~10月

 サントリーフラワーズが作出したブランド苗です。
 説明書には、「夏の暑さに強く、花がまとまりよく開花し、比較的害虫も着かず、長期間あまり手間がかかりません。花柄摘み、摘心、切り戻し不要」との記載がありました。



 元になった「スカエボラ」を紹介しておきます。

画像の説明

学名:Scaevola aemula

 オーストラリア原産のクサトベラ科の多年草です。当初は花色がブルーだったので「ブルーファンフラワー」と呼ばれていました。
 耐寒性が弱く、高温多湿が苦手です。花壇に植えた場合は、梅雨時期になると枯れてしまうことも・・・。
 最近は園芸店やホームセンターでは苗を見かけなくなりましたが、通常は春に販売されています。
 個人的には、従来のスカエボラは花壇向きではないように思います。

 コンテナやハンギングバスケットを使用し、水はけの良い用土でやや乾燥気味に育てます。梅雨から真夏は、雨のあたらない明るい日陰の涼しい場所で育てます。上手に夏を越せたら秋から再度開花します。 
 茎は上に立ち上がるより横に広がります。一通り開花したら切り戻し、切り戻した枝先は挿し芽で増やせます。
 原産地のような雨が少なく湿度の少ない生息区域であれば、グラウンドカバーのように広がっていくようですよ!

画像の説明

 従来の「スカエボラ」の育てにくい部分を品種改良して誕生したのが「サンク・エール」のようです。
 花の付き方は、茎が短く集中して開花します。また、夏の暑さや湿度に対しても比較的強くなり、管理の手間が少し省けるようになったようです。
 花の形は従来も新品種も同じで、5枚の花弁が扇状に広がります。サンク・エールはかたまりで見ると輪状の花形のように見えます。
 ちなみに「スカエボラ」はラテン語で「左手の人」という意味で、5枚の花弁が人の手の形に見えるようですね。


 
 次はロベリアの仲間です。

ロベリアの仲間 アズーロコンパクト

画像の説明

学名:Lobelia “Azzurro compuct”
キキョウ科ロベリア属
園芸品種 一年草
開花期:5月~7月 10月~11月

 こちらもサントリーフラワーズの作出したブランド苗です。
 説明書には「夏越し容易なロベリア、蝶のような葉がふんわりまとまり、柔らかな色調、花柄摘み不要」と記載されています。

 確かに、色合いは優しいブルー、水色、白、ピンクでふんわりした感じの姿を見ることができます。

 元になっている植物はロベリアです。ご存知のロベリアですが紹介します。

画像の説明

学名:Lobelia erinus
キキョウ科ロベリア属 
一年草
原産地:南アフリカ 
別名:ルリチョウソウ

一般的に育てられているロベリアは、ロベリア・エリヌス(一年草)の園芸品種です。
←ロベリア・エリヌス


画像の説明

 その他では日本から中国北部が原産のサワギキョウがあります。(学名:Lobelia sessilifokia)
 
←こちらは宿根草で直立タイプです。

 ロベリアの花は上唇が2裂、下唇が3裂で蝶々が飛んでいるような姿です。
 一年草タイプは寒さに弱く、高温多湿も苦手です。 
 秋に種を蒔くか、春に苗を植え付け、5月からコンテナや花壇の前列などで楽しみます。上手に夏越しが出来れば秋に再度開花しますが、難しいかも~しれませんね。
 宿根タイプは高原の湿地でよく見かける植物で、水辺やボーダー花壇、山野草として庭植えとしても利用されています。
 高さは60cm~100cmほどで、8月~9月に開花します。
 花色は青や紫、赤、ピンク、白と多彩です。耐寒性は強く、夏の暑さにも比較的強い方です。
 アズーロコンパクトは、先のロベリア・エリヌスの品種改良だと思います。一年草としての扱いは同じですが、夏越しがし易く秋からも開花する特徴があります。

2020

 花柄摘みは必要ないようですが、茎が伸びてくるので一通り開花したら全体を切り戻し、形を整えます。
 説明の中には「花が少なくなってきたら形を整える程度に切り戻しをしましょう」と書いてありました。
 5月頃から開花します。
 梅雨に入るくらいに全体を切り戻し、蒸れを防ぎながら夏を越すと秋から再び開花します。
 枝分かれが多く花付きもよく、夏の暑さにも比較的強く、管理の手間が少ないように改良されたようですね。ただし、冬越しは難しいようです。

 たまたま挙げた2種類はサントリーフラワーズの園芸品種でした。

 私は新しい品種も花壇設計などに取り入れていきますが、まずはコンテナなどで育てて様子を見ます。
 コンテナではよく育っても花壇では育ちが悪い~ってことはよくあります。
 2~3年はよその花壇にあればチェックしてから使用します。
 やはりブランド苗は価格も通常よりは高いので、カタログ見ながら「これ使おう!」にはなれません。
 貧乏性なんでしょうね(笑)



 次はアガスターシェです。

アニソヒップの仲間 アガスターシェ(アリゾナ系)

画像の説明

学名:Agastache aurantiaca の矮性種
シソ科 常緑多年草 
原産地:北アメリカ~中央アメリカ
別名:アガスターシャ、アガスタケ
開花時期:5月~12月

 アガスターシェの仲間は、日本やアジアに自生するカワミドリ(学名:Agastache rugosa)や北アメリカ原産のアニソヒップ、アガスターシャ・アウランティカの品種改良で、総称してアガスターシェ(アガスターシュとも)と呼ばれています。
 今回は、その中のアウランティカの矮性種(アリゾナ系)です。

 通常は草丈100cm近くになる大型種ですが、草丈は30~50cmほどのコンパクトなタイプです。
 カタログでは見ていたのですが、気になっていました。偶然、コンテナに植えてあるのを見たので紹介です。

画像の説明

 初夏から秋に穂状の小さな花を付け、葉も小型で香がよく、緑が美しく、カラーリーフでも楽しめそうです。
 花色はオレンジ色、赤紫、黄色とあり、比較的耐寒性が強く、関東以西の暖地は戸外で冬が越せます。また、夏場の高温多湿は気にすることなく元気に育ちます。
 花は咲き終わると勝手に落ちますが、一通り開花したら切り戻しましょう。花が落ちている姿は見苦しいですからね。また、切戻しをすると花付きがよくなるようです。
 花壇であれば中段か後方に、大型のコンテナも中央か後方に植付けて楽しめますね。
 苗から育てても、種を播種して育てるのも楽しいですね。

 多年草です。晩秋に地際で切り、冬越しをして翌春新しい芽が伸びてきます。
 特に病害虫の心配もないようですし、手間がかからないようです。今回、見かけたコンテナ植えのアガスターシェは冬までさらに観察を続けます。
 カタログで見た感じは「華やか~」な雰囲気だと思いましたが、実際は少し地味かもしれません。それでもナチュラルな雰囲気です。周囲の草花を選べば素敵な花壇に仕上がりそうですね。



 最後は、てんこ盛りのユリに出会いました。

 アガスターシェを見かけて、周囲を散策していたら~まるでボールのような?!「何かな」と思い近づいたら、ユリでした。

 オリエンタル系ソルボンヌだと思います。

画像の説明

学名:Lilium ユリ科ユリ属
球根植物・多年草

 7月~8月にかけて開花するオリエンタル系のユリです。
 ヤマユリやササユリ、カノコユリなどの東洋に自生するユリの交配種です。
 優雅な花色と整った大輪で香も強く背丈も高いです。スカシユリ系は花が上向きですが、オリエンタル系はやや横向きなのです。

 庭植え、鉢植え、切り花と用途も様々で楽しめます。

画像の説明

 今回のユリは~茎の直径5~10cmほどの太さがあり(通常は2~3cmくらい)、一つの茎に20個くらいの花が付いていました。
 笑いが出てしまいました。

 「立てばシャクヤク座ればボタン歩く姿はユリの花」ユリは清楚な女性を形容する時に例えられますが、このユリは「清楚」というより「豪勢」が似合いますね。

 管理をしていらっしゃる方がいたので尋ねてみたら、『3年目の球根で、昨年は普通に開花。今年は茎が太く蕾が多く生長し、蕾を間引こうかと思っていたが放置していたら~』、こんなに咲いたそうです。
 球根が栄養をたくさん蓄えた結果なのでしょうか。雨上がりの蒸し暑い中での公園の散策、大収穫でした!

画像の説明

 ユリの余談ですが、ユリは様々な用途がありますが、根は「百合根」として食べます。お正月のおせち料理や懐石料理で食べたことがあります。
 食用の百合根は「コオニユリ」という品種が多く食され、灰汁の少ないタイプです。
 種から鉢で育て3年目で畑に植えかえし、畑でさらに3年育てます。計6年目で収穫されます。収穫後の畑はその後7年程開けて再びユリが植付けできるそうです。長い時間をかけて球根を太らせて収穫します。

 収穫は秋に行われて2~3か月寝かせます。寝かせている間にでんぷんが糖にかわり甘味が増すそうです。
 観賞用のユリも食用のユリも球根は同じです。観賞用は食べないでくださいね!


 
 今回は、最近気になった草花を紹介しました。

 草花は日々品種改良が試みられ、新しい品種が次から次に出てきます。すべては無理ですが、気になった草花は、まずはプランターで育てて様子を見るようにしています。
 皆さんも気になる草花があれば、1株から花の咲き方や枝葉の伸び方、管理の手間など観察をしながら育ててみてはいかがでしょう。
 気に入れば2年目からはコンテナや花壇で!楽しんでください。

 7月の大雨により九州全域において甚大な被害を受けてしまいました。
河川の氾濫や土砂崩れにどのような対処をすればよいのか・・・。
 ニュースで耳にする「50年、100年に一度の災害」は、毎年酷くなってきている災害と何が違うのかわかりませんが、島国の日本では山間部で降る雨が下流に到達する距離も短く「あっという間」のようです。
 これから起きるかもしれない被害は減災できるよう、被害がでそうな場合は早めの避難を!
 この行動が自分自身の命を守るために必要なことなのでしょう。

 これからは台風の季節です。災害が無いことを願っていますが、いつも意識をしておきたいと思います。

(2020/08/01掲載) 

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