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花のコーナー

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花のコーナー

御園 和穂##

2021年10月 秋の野の花

 過ごしやすい季節の到来です。
 今年は例年になく雨が多く蒸し暑い夏でしたね。その影響もあってか草花の傷みも多くみられました。
 9月に入っても秋雨前線や台風直撃などで、悪天候による日照不足にも見舞われました。
 我が家のベランダで育てていた苗や挿し芽をした植物の大半が枯れてしまいました。トホホ…です。
 季節が変わって、これから夏の疲れが出やすくなります。
 過ごしやすくなってきたので、ここら辺りで体調を整えておきましょう。
 合わせて~美味しい季節でもありますからね! 
 
 今回は、9月上旬から山の裾野周辺一面に開花する「白い花」から紹介します。


センニンソウ

画像の説明

学名:Clematis terniflor DC.
キンポウゲ科センニンソウ属
つる性、半低木の木質多年草
分布地域:中国中部、台湾、朝鮮半島の南部 日本では北海道南部から本州、小笠原諸島、四国、九州、沖縄に広く分布
別名:ウマクワズ(馬食わず)、ウシクワズ
開花時期:8月下旬から10月上旬

 北九州市都市高速4号線の山路インターから黒崎方面に向かって車を走らせると、山側の樹木の上部に咲く白い花を見かけます。
 一般的には林の縁や川岸の荒地などに生息するキンポウゲ科つる性の多年草でセンニンソウと言います。小花を多数つけ香りも良く魅力的です。
 茎は長く分岐しながら伸び、周辺樹木のよく日の当たる上部で開花します。
 葉は小さく羽状複葉で5枚内外の卵型です。上向きに全開する4枚の花弁に見えるものは萼片で花弁はありません。
 キンポウゲ科と学名のClematis(クレマチス)でお気づきの方も多いかと思いますが、センニンソウは日本原産のクレマチス(※フラミュラ系)です。
※フラミュラ系とは:クレマチスの系統の1つ。温帯から亜熱帯に数十種類の原種が自生している系統でセンニンソウなどを中心に交配、改良したもの。その年の春から秋にかけて伸びた枝に、夏または秋、初冬に花が咲く種類と翌春に花が咲く種類があります。花は小輪系の十字で香りが良く、多数の花が群れで開花するのが特徴です。クレマチスの台木として使用されています。
 日の当たる場所を好むので、つるは樹木のてっぺんを目指して絡みつき伸長し、てっぺんで花を咲かせます。あたかも樹木の花が咲き乱れているような。
 白一色で覆われて姿は圧巻ですし、近くで見ると何とも言えず優雅な雰囲気を与えてくれる花姿です。

画像の説明

 センニンソウの名前の由来は、はっきりはしていませんが、花後果実が出来るときに、果実から伸びた銀白色の長い毛の密生た様子を「仙人のひげ」に例えられたと言われています。
 とても美しい花ですが、センニンソウの別名は「ウマクワズ、ウシクワズ」と言われ、有毒植物です。
 茎や葉の汁が皮膚に付着すると水ぶくれ(水腫)が発生します。

 誤飲した際は、胃がただれ、激しい下痢に見舞われ血便が出るそうです。
 また、牧草地や空き地に勝手に侵入する有害雑草としても倦厭されています。
 その昔は生薬として、葉を採取し扁桃炎や神経痛、リウマチの患部に貼り付けて痛みを緩和したと記録がありましたが、少々手荒い治療方法だったようです。
 日本では漢方としての使用は毒性が強いので認められていません。絶対に触ったり、飲用しないよう注意が必要です。
 茎葉に毒性はありますが「茶花」として使用されたりします。つるを生かした※掛け花として活けられます。
※掛け花:茶道ではお茶と合わせて季節を感じさせる「茶花」を活けます。「花は野にあるように」と利休七則の1つとして受け継がれています。センニンソウは掛け花として床柱に掛けられた花入れに活けます。

 夏の終わり頃から秋半ばまで楽しめるセンニンソウ。
「美しい花には毒がある」の言葉通り、野趣あふれる美しい花の1つです。
 時には周囲を見渡しながら歩いていると発見できると思いますよ~
 見かけたら、近寄ることは構いませんが、葉や茎を折ったりはしないでくださいね!


 次は、この花が咲き始めると秋を感じる草花です。

シュウメイギク(2018年10月掲載)

画像の説明

学名:Anemone hupehensis var.
キンポウゲ科 イチリンソウ属(アネモネ属)多年草
別名:キフネギク  漢名:秋牡丹 秋明菊
原産地:台湾、中国
開花時期:8月下旬から11月


 私は、シュウメイギクが開花し始めると秋を感じます。以前にも紹介をした草花ですが、季節の花で大好きな草花の1つです。内容は重複すると思いますが紹介しますね!
 秋の風情を感じさせる優雅な花で、寺院や民家の庭先に野山の趣を演出してくれます。また、切り花や鉢植えや花壇でも楽しめます。
 日本へは、古い時代に中国の僧侶によって持ち込まれ、定住した帰化植物です。また、京都の貴船地方に野生化したものが見られ、これが「キフネギク」と呼ばれ、本来のシュウメイギクと言われています。
 そのシュウメイギク、福井県では「越前菊」、石川県では「加賀菊」とも呼ばれています。
 現在では類似の種との交配種を含め、総称して「シュウメイギク」と呼ばれています。

画像の説明

 名称のシュウメイギク=キクと呼ばれていますが、菊ではなくアネモネの仲間です。 
 早春に開花するイチゲの類でイチリンソウ属(アネモネ属)の仲間です。 (写真:イチゲの花参照→)
 同じ仲間でも性質は異なり、開花時期は夏の終わり頃から茎を伸ばし、先端に花を咲かせます。その後、両脇に1輪ずつ、さらにその脇にと順々に花を咲かせます。


画像の説明

 花びらのように見える部分は萼片で、花弁は退化してしまいました。
 シュウメイギクの本来の花色は赤紫色ですが、品種改良が進み、一重咲き、八重咲き、花色も白やピンク、淡い黄色や紅色など様々な品種が誕生しています。
 花後、放置しておくと綿毛に包まれた種ができます。


画像の説明

 12月~1月頃地上部が枯れて綿毛が浮いてきたら採取時期です。この綿毛は風で飛ばされやすいので、採取するなら袋をかぶせて保護しましょう。
 播種時期は4月ごろ、用土に蒔き、覆土はせず乾燥しないように発芽させます。発芽したものの中から良い苗を残して間引き、翌年の3月~4月頃に1株ずつ植付けをします。
※品種によっては種が付かない場合があります。

【育て方】

  • 栽培環境
    耐寒性、耐暑性に優れていますが、どちらかと言えば夏は涼しい地域の方が元気よく育ちます。日向から明るい日陰まで幅広く適応します。
    あまり日陰すぎると花付きが少なくなります。
  • 肥料
    春(3~5月)と秋(10~11月)に施し、5月ごろまでに株を育てておきます。
    高温期の多肥は根を傷めます。
  • 病害虫
    病気:水はけが悪い場所だと「白絹病」が発生する場合があります。風通しが悪い場所だと「うどん粉病」が発生することがあります。
    害虫:アブラムシ、ヨトウムシ、メイガなど
  • 植替え・植付け
    ・庭植えの場合は3~5年はそのままで、株が込み合うなら春か秋に株分けをして植え替えます。
    ・鉢植えの場合は、根詰まりをおこしやすいので、毎年春に古い土を落として新しい土に植替えます。
  • 増やし方
    株分け:春か秋に株分けします。(種のできない品種は株分けで)
    根伏せ:根を5㎝ほど切り、鉢か育苗箱に寝かせて土を被せます。
    種まき:種が出来る品種は、とりまきにすると苗がたくさんできます。
        ※種の場合個体差が出るため、変わった花が咲くこともあります。

 シュウメイギクは和のイメージがありますが、洋風のお庭にもよく合います。開花が季節を感じさせてくれますね。
 今時期になると、鉢物で開花株を見かけます。
 好みの花色や花の咲き方をみてお好きな植物を選び、育ててみては如何でしょうか。

 以前紹介した時のシュウメイギクも株が大きくなり、昨年の秋に株分けをしました。

画像の説明

 今年は夏も暑かったし、8月の長雨、日照不足と悪条件下でしたが、9月に入ってから花が咲き始めました。
 狭い場所なので、なかなか手入れ行き届かないのですが、最低限の管理で毎年楽しんでいます!
 周辺は赤い実の付く「ジュズサンゴ」が少しずつ色づき始めました。
 窓越しの細い通路脇の植え込みですが、葉の色合いを楽しみ、季節の花も楽しんでいます。

画像の説明

 今月は一年で一番過ごしやすい時期ではないでしょうか。
 日中はまだ汗ばむ日もありますが、朝晩はグッと涼しくなります。
 また、9月「十五夜(中秋の名月)」から一か月後の夜のことを「十三夜」といい、十五夜の風習が中国から入ってくる前から月を愛でる風習がありました。
 実際には9月は台風などで雨が多く月も見られなかったりしますが、10月は比較的安定した天候であったことから親しまれたようです。
 現在では、十三夜についてはあまり知られていませんが、十五夜の月見をしたら、必ず十三夜の月見をして祝うものだったようです。
 十五夜だけの月見は「片月見」といい縁起が良くないとも言われていたようです。十五夜は別名「芋名月」、十三夜は「豆名月/栗名月」と呼ばれています。
 ちょうど収穫の時期(食べごろ)になることから、そのように呼ばれるようになったとか。
 この月見の時は「他人の畑の作物を無断で取ったり、月見のお供え物を失敬しても構わない」という風習があり、盗まれると縁起が良く、また盗んだものを食べると健康になり、幸福が舞い込むという言い伝えもあったようです。
 さて、現代ではこのような風習は行われているのか~地域によっては今でもその習慣が残っているところもあるかもしれませんね。
 なんだか心豊かになる風習だと私は思います。
 私たちの生活圏内には盗みに入れるような畑はありませんが、今月は十三夜の夜にお供えをして夜空の月を愛でたいと思います。
 愛でるだけでも「良いことがありそう」な気になりそうです!(笑)

(2021/10/01掲載) 

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